「ステップ!」レポ



■キャスト
山岡八重(20歳)/前田愛  田中良太(23歳)/半田健人  山岡美鈴(25歳)/あだち理絵子  山岡美佐子(50歳)/志乃原良子  沢田貴子(55歳)/紅萬子 

■あらすじ
  身体障害者である八重がビジネスホテルの客室係として雇われることになった。同じく客室係の良太は、傷つくことを恐れてダンサーの夢を捨てようとしていたが、八重との関わりを通して、自ら一歩歩みだす勇気を学び、再び夢へと突き進む決意をする。

あらすじをとても簡潔に書いたらこのようになります。以下には、ボクの感想を交えつつ、半田くんの出演場面をピックアップしていきたいと思います。

□「何か言うたか?おばはん」
  八重がビジネスホテルの客室係として雇われることが決定。早速、そのことで話題が持ちきりの控え室の客室係s。「おっはよ〜!」とそこにやってきたのが良太。遅刻ギリギリできたのか、「何時やと思うてんの?」と言われて、返した言葉がこれ。「何か言うたか?おばはん」さらに、「(はやく着がえろと言われて)覗くなよ」とニヤリ。
  関西弁!ボク的には、衝撃的な登場ですよ。番組が始まってすぐに、登場人物全員が関西弁であることに気がつき、”ということは、半田くんも関西弁か…。(関西弁での演技は難しいので)大丈夫だろうか”と不安だったんですが、この一言でその不安は杞憂であることが分かりました。半田くんの関西弁演技は無理がなく、とてもスムーズでいい感じでした。そして「おばはん」「覗くなよ」。半田くんが今まで演じてきた役の中で、この手の台詞を言うようなのっていないんですよね(ファイズの巧はいいそうで言わない)。だから、関西弁に加え、役柄的にもとても新鮮で、このドラマに対する期待が一気に高まったのは言うまでもないですね。

□煙草と物思い
  非常階段(だと思います)に座り込み、煙草をすう良太は何か物思いふけている。自然と足でステップをふみだす。そして、夜のダンス練習の回想へ。
  このドラマでは、半田くんの新たな一面が多く見られるんですが、ここでは喫煙。見た感じ、あまり吸い慣れてないのかなあという印象。普段はあまり吸わないのかもしれませんね。このシーンは、半田ファンなら煙草に目がいきがちですが、半田くんの目をうまく使った物思いにふける表情がなかなか良いんです。

□夢からの逃亡
  良太はと友人(3人)と夜の街でダンス練習。その後のミーティングにて、”決められたダンスを誰かのバックで踊るのではなく、思うが侭に自分のダンスを踊りたい。だから、コンテストなんて無意味!”と主張する良太。友人は、”小さなコンテスト入賞からコツコツと積み上げていこう”と主張。当然ながら、意見が合わず。友人の一人が”良太は、コンテストに落ちるのが怖くて逃げてるだけ。へタレや!”と痛烈批判(面と向かってきっついことを言うなあ〜。この友人A。)。良太は、言い返すことができず、目をそらす(図星なんかい!ここの演技が、個人的には好きです)。良太「青春やねぇ〜」と友人たちを冷やかす(笑)友人Aの「もうここにくんなや」という売り言葉に、良太の「誰がこんなとこに来るか。こっちから断るわ」という買い言葉。良太、夢から逃亡することに。
  このシーンをはじめ、「ステップ!」では普通の青年を丁寧に演じていて、本当に良い感じなんですよ。彼の今までの役どころはいずれもどこか非日常的でしたから(科捜研の杉内刑事も含む)、それがまた新鮮で、半田くんは日常的な平凡な役柄にもフィットすることを発見しました。問題のダンスシーンの初出は、ここです。本格的なダンスのときは影武者が登場することは、このシーンだけで分かりました(笑)

□八重ちゃんがやって来た。
  八重が仕事場にやって来た。同僚のおばちゃんsは八重に興味津々。でも、良太は無関心。
  場面は切り替わり、またしても非常階段で良太の喫煙タイム。留守番電話に友達からの伝言「もういっぺん一緒にやろうや」。それに対して、良太は「ほっとけや」とイライラ。そこへ八重が良太を呼びにやってくる。良太は八重に八つ当たり。「鬱陶しいんじゃ。あっち行け!」と強く言ってしまい、八重は逃げ去る。
  このシーンが良太と八重の初コンタクト。前田愛ちゃんの演技も手伝ってか、良太に八つ当たりされる八重がとても可哀想で胸が痛むんですよ。良太のイライラする気持ちも分かるんですが、”鬱陶しい”や”あっち行け”と言われたら、普通の人でも凹みますよね。ただ、八重が走り去った後の表情を見た限りでは、良太は八つ当たりに後悔してるようでした(ここの表情もいいなあと思います)。

□良太、脅迫される
  八重が仕事を教えた通りにしなくてイライラさせられるなど、八重と上手くいかない旅客係のおばちゃんs。その中で、子どものように扱えばええねん!と言うおばちゃんB(仕事のご褒美に飴玉をあげたりする)。八重は、「自分は子供やない」と子ども扱いに1ショック、更に八重への陰口をきいて2ショック。そこでチーフは、良太に八重を任せることに。良太は当然ながら嫌がるも、チーフに「支配人の監視が厳しいロビー清掃にまわる」か「(管理が緩やかで自分のペースで仕事が出来る現状の仕事場で)八重とペアを組むか」の脅迫まがいの2者択一をつきつけられ、しぶしぶ八重と組むことに(このチーフ、ニコニコと穏やかに汚い!)。

□良太、八重と仕事をする。
  良太は、「お前、もう何もするな」と八重を邪魔者扱い。しかし、八重が丁寧に、そして綺麗に磨いた鏡を見て、「綺麗な。やったら結構できるやないか」と褒める。八重は仕事が認められ喜び、そして、八重は何も出来ない子どもだという良太の認識が変わり始める。そして、通りかかったチーフが、それをみてニヤニヤ(この人、こればっかりだ。最後まで特に役に立たない(笑))
  良太が八重の気持ちを理解するきっかけとなる、とても良いシーンだと思います。

□八重、泥棒とまちえがられる。
  八重が、まだ客が滞在している部屋に、誤って掃除をしに入ってしまい、その客から泥棒扱いされる。八重は黙ったまま。良太は、その八重に対して「ちゃんと自分で違うと言わんか」「黙っとったら、ほんま泥棒と思われんぞ」。結局、濡れ衣だったことはすぐに判明するんだけど、疑われたことに八重はショックをうける。良太は傷心の八重を家まで送ってあげる。
  このドラマでは、良太だけが成長するのではなく、八重もまた良太に支えられることで成長していく。ここでは、八重の成長しなくてはならないところ―意思表示ができない―が描かれる重要なシーン。また、良太のフォローなどから、良太と八重が良いパートナー関係になりつつあるのが分かり、ホッとした気持ちになる。

□八重の家にて(1)
  良太は、八重の姉・美鈴と会う。美鈴は、もともと八重の就職には反対で、泥棒と間違えられたこの機会に、退職させようと提案。”八重は頑張ったところで一人前になれないし、これ以上傷つかないうちに辞めさせなくちゃ”(言ってることは分からんでもないけど、きっついこと言うなあ。これは優しさと言うんやろうか?)それに対して、良太が「何であんた勝手に決めんねん。働いてるのは八重ちゃん。彼女にも意思があるはず」。美鈴は「八重の意思ではなく、母親など人に言われて働いてるだけ。」良太「あんたがそう思い込んでるだけ」この言葉に美鈴が「あんたに何が分かるん?」とぶち切れ(笑)(このお姉さん、八重のことを意思のない人形と思ってそうやなあ。どことなくいけすかん。良太、もっと言ってやれ!)そこに八重登場。ここでも、八重は自分の意思をはっきりと示すことが出来ず。
  八重のお姉さん、言ってることは、すべてが間違ってるとは思わないし、特にひどい人だとは思わないけど、何か感じが悪い。なぜだろう。

□良太、八重のダンス教室に行く。
  駅の改札口で、良太は立ち往生している八重を発見。八重は、ダンス教室に行きたいんだけど(この時点では、良太は八重の目的地がダンス教室とは知らない)、場所が変更されたらしく、その行きかたが分からない。良太は連れて行ってやることにする。
  良太は、八重の目的地が身体障害者の方が集まるダンス教室だと知って驚く。良太は、最初はダンス教室を見学していたけど、「見てられへん」といって、勝手にCDを入れ替えて(笑)教室をジャック。「振り付けなんかいらん。ダンスはハートとビートや。感じるままに踊ったらええねん」と言ってシャカリキに(影武者が)ダンス。八重は「良太、かっこいい」と大喜び。
  良太は、夢から逃げいているけども、心の底ではまだダンスが好きなことが分かるシーン。「振り付けなんかいらん〜」はカッコいいですよ。

□帰り道
  良太と八重、ダンス教室の子2人で帰っていると、チンピラ×2人に「お前ら、鬱陶しいんじゃ。あっち行け」と言われる。しょんぼりする八重とその友達。良太は「お前、何て言うた!」とチンピラsにつかみかかり、あわや乱闘かというところで、八重が「良太、あかん。ケンカ、あかん」と止めにはいる。ちんぴらs、去る。「あんなん言われて、悔しくないんか?」と良太。八重は「あんなんはあんなん、けど、良太はあんなん違う。良太は友達」と返した。
  チンピラの「お前ら、鬱陶しいんじゃ。あっち行け」と同じ台詞を、良太はかつて八重になげつけていて、それをフラッシュバックで思い出す演出があります。ここで、疎外されることの痛み、八重が自分のことを友達と思ってくれていること、初めて良太は八重の気持ちを理解し、良太と八重の心が完全に通じ合えたんだと思います。

□上手くいくと思いきや…
  あの事件以来、すっかり良いパートナー関係となった良太と八重は、順調に仕事をこなすようになります。ボケをかませるほど、二人の空気もまったり。たとえば、ベッドのシーツ交換のとき、八重が見かけによらず力があり、八重が「お姉ちゃん、おんぶできんねん」と言うと、良太が「頼むからベッドはおんぶはせんでくれや」(くっだらねぇ(笑)唯一、早送りしたくなった瞬間(笑))このまま、上手くいくかと思いきや、お邪魔虫の沢田おばちゃん登場。澤田はリストラ候補で、それを回避するために、八重の新人教育係となり、点数稼ぎしようと考えた。チーフは、澤田の事情を察して、八重のパートナーを良太から澤田に変更することに(こらこら、チーフ、あんたが良太に任せたんとちゃうの?ほんま適当なおばちゃんやで)。
  澤田のおばちゃんの指導のもと、八重は仕事をするようになるが、澤田の指導は厳しく、八重はついていけない。良太が「そんなに一気に言っても分からんようになるやろ」と助けにはいるけど、澤田は聞く耳持たず。そんなやりとりを、またしても通りがかったチーフは、あちゃあといった表情でみていた(また、このパターンかい。チーフ、眺めてばかりしてないで、何とかしなさいな)。澤田の厳しい指導が続く中、ついに八重が宿泊客とトラブルを起こす(トラブルといっても、子どもがこけただけ)。その責任をとって、八重は謹慎。ここでも、良太に「辞めたくないよな?」と尋ねられても、八重は自分の気持ちがいえない。澤田のおばちゃんに「ほら、自分の気持ち、言えへんやないの」と言われる(うっさい、おばはん!指導係なんやから、あんたにも責任があるやろがい)。
  この澤田のおばちゃんが本当に腹立つ。八重のことを邪魔だ何だと言っていたのに、自分の保身のために八重を利用とする。むっきぃ!お前なんか、リストラされちまえ!

□八重の家にて(2)
  良太は、八重の家に行く。そこで、ベッドのシーツ交換を練習している八重の姿をみる。良太は、八重と一緒に練習を始める。
  このシーンの良太が優しいんですよ。その一方で、謹慎中でも練習する八重を見て、未だに八重の意思で働いていると思えない姉がよく分からない。

□えっ、辞めるの?
  八重は、結局退職することに。荷物整理にやって来た八重と姉。八重は、姉に手をひかれて部屋を出ていこうとするが、立ち止まり、「嫌や…。嫌や!お願いします。働きたいんです。」とついに意思表示を!良太も「本人が働きたい言うてんねん。辞めるんは撤回やろ」と援護射撃。そしてチーフが「私からもお願いします!」(チーフ、動いたと思ったら、良太に便乗かよ!自分から率先して動かんかい!)でも、支配人から「一度辞めると言った奴にやりたいと言われても、その言葉は信用できんやろうが」というような趣旨のお言葉を頂く(ごもっともで)。そこで、技能習得をチェックする試験をすることに。
  姉の美鈴は、自分の考えが八重の考えと勘違いしている節があったんですが、ここにきて、ようやく八重にも独立した意思があることに気がつきます。

□「カボチャさんと思いなさい。」
  良太や同僚、支配人、チーフ、姉に見守られる中、いよいよ試験開始。良太が「いつもどおりでえんやで。支配人はな、かぼちゃや思え」と暴言。支配人が咳払い。それをきいた良太が支配人をチラッと見て訂正。「かぼちゃさんと思いなさい」(良太、間違ってる、間違っちゃってる。明らかに訂正するポイントが間違ってる(笑))試験終了。支配人から、時間がかかりすぎるとダメだし。良太が支配人に頼み込みます。「支配人、頼んます。確かに時間はかかったかもしれませんけど、それ以外は完璧やないですか。そりゃあ、人よりもたついたかもしれません。どんくさいかもしれませんけど、時間さえかけたら、俺よりようできるんです。八重を、山岡さんを仲間にしてください。」ここで良太は頭を下げます。「お願いします。俺、生まれてはじめて、人に頭下げてます。お願いします」同僚がこれに続いて、頭を下げます。支配人の心を動かし、八重は無事仕事を続けることが出来ることに。
  実は、澤田が八重の頑張る姿をみることで改心するんですが省きます(笑)比較的丁寧に作られている話なんですが、澤田の改心だけは唐突過ぎたように思いました。
  支配人に頭を下げるところは長台詞なんですが、良い感じでした。ファイズの頃とは大きく違いますね。その後のさまざまな経験が力になってるんやなあと思いながら見てました。また、「カボチャさん」発言は面白かったです。これは、半田くんの言い方が上手かった。訂正後の「カボチャさんと思いなさい」は、言葉だけではなく、口調もやや丁寧になってるんですよね(笑)しかも、良太は、全く悪いと思ってなさそうなところが、またいい(笑)

□ステップ
  八重から「どんな小さな一歩でも、踏み出せば前に進む」ことを知った良太。良太、八重、美鈴は、良太の友達のダンス練習の場所を通りがかる。友人たちは良太を誘うが(と言っても、直接言葉ではなく、なんというかそういう雰囲気なんですよ。雰囲気。)、しかし素直になれない良太。踊る友人sの中心に八重が飛び入り。「良太、一緒におどろ。ステップや、ステップ。」良太は、「しゃあないな。よっしゃあ!」といって、踊りの輪へ走りこんでいく。
  ボクとしては、「よっしゃあ!」の表情が好きです。どのような表情なのか、上手く言葉では表現できないんですけどね。すみません。

以上で、終了。
半田くんのところだけピックアップしていたら、結果としてほぼ全てのシーンを網羅することに…。疲れた。

■感想
  物語の内容的には、地味で堅く、オーソドックスなんですが、しっかりとしたつくりだったので楽しめました。教育を目的としたドラマですが、押し付けがましさはないし、見やすいと思います。少なくとも、「愛のソレア」よりは安心して見れるんじゃないかなあ(笑)
  障害者が周囲に影響を与えるという、”障害者”→”周囲の人”というパターンは多いけど、この"ステップ!"では、そのパターンに加えて、障害者である八重も良太に支えられることで変わっていくという”周囲の人”→”障害者”という視点でも描かれているのが、ボク的には面白かったです。障害者と周囲の人々が双方向的に影響を与え合う姿こそが、より健全で、より現実だと思うんですよね。
  半田くんに関しては「新鮮」の一言。ドラマ全編通して関西弁で演技。これがね、全く違和感ない。関西弁で演技するのって難しいはずなんですけど、妙にスムーズで良い感じなのです。半田くん、やっぱり器用なのかな。関西弁以外に、衣装が新鮮。大きなヘッドホンを首にかけ、ニット帽を被り、ルーズなズボンをはき…典型的なヒップホップ・ファッションなわけですが、これまた似合ってるんですよ。そして、ヒューマンドラマでの半田くんが新鮮。思っていた以上に、半田くんはドラマに良い感じで馴染んでました。演技的には、オーバーに演じていた「洋一」タイプから、サラリと演じていた「巧」タイプへとシフトチェンジしています(決して、良太が巧のまんまということではないですよ。演技のタイプの話です)。ここらあたりも、器用さを感じるところ。
  ドラマでの半田くんは、眼力がますます高まり、表情は更にしまっていて、良いです。半田くんの新たな一面を見ることができ、そして、また別のドラマで半田くんを見たいなあと思えるのに十分なドラマでした。
  さて、最後に多くのファンを不安に陥れた「ダンス」のことに触れておきます。率直に言いますと、半分は半田くんが踊り、半分は影武者が踊っております(笑)体でリズムをとったり、簡単なステップをふむといった、簡単なダンスの箇所は半田くんが踊っています。カメラは接近し、しっかりと半田くんの顔を映します。そして、本格的なダンスの箇所は、半田くんの格好をした影武者がシャカリキに踊ってます。間違いありません。本格的にダンスのときは、カメラが引きになり、不自然なほどまでに半田くんは後姿のままなわけですよ(笑)顔は決して映りません。驚くほどあからさまですけど、これで正解だと思います。素人には無理です。半田くんも助かったと思ったに違いないです(笑)

  予想以上に大作となってしまった「ステップ!」レポ。宣言しておきます。見直してません。書くだけで疲れちゃいました。誤字脱字のオンパレードかもしれませんが、お許しください。また、発見しましたら、BBSでお知らせください。よろしくお願いします。では、お粗末さまでした。(05.04.02up)



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